トップページ野遊び屋とは?開発秘話>第1回 リュウ・タカハシ(Ryu)編 -2
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― 野遊び屋以前の日本には、AT/NPの各社のような気軽なシーカヤックツアー会社はなかったんですか?
Ryu:私は「NZ生え抜き」のシーカヤッカーで、日本のシーカヤック界にはあまり通じていませんから、私には「ある」とも「ない」ともいえません。ショージ(小前 昭二氏)にでもきいてください(笑) ただ、消費者側にそう感じる方が少なくなかったのは事実のようですね。どうも我ながら回りくどい言い方ですが(笑)


― では、具体的には、どのようにノウハウを移植したんでしょう?
Ryu:私の場合、立ち上げ作業時はNZにいましたので、インターネットを使ってやってました。だから、野遊び屋は一種のSOHO作品なんですよ。そういう意味では、まさに世界最先端のアウトフィッターですねぇ(笑) 私の立場はプロデューサー、あるいはスーパーバイザーといったところでしょうか。具体的にはオペレーション、マーケティング、ガイディング技術などのノウハウの提供と、ウェブサイトなどの構成、各種の文書・文面の作成や校正など、PCの前でできることをとりあえず片っ端から、という感じですね。それを実際に形にしてくれたのは、主に現地ディレクター役のごう(吉川 寛氏)とボスの森田(森田 桂治氏)ですね。特に細々とした面倒な仕事、たとえばベースの整備とか、道具類の仕入れルート作りとか、デザイナーとのパイプ役とか、もろもろの一番大変な作業は、全部ごうに任せっきりでしたから、彼にはホント頭があがりません。実質的に野遊び屋を作り上げたのは彼ですよ。基本的には、私の役目はすでにもうほとんど終わっています。


― 野遊び屋とATKは、違う面もありますよね?
Ryu:もちろんアレンジした点も少なくないです。マーケットもフィールドも違いますし、社会背景、文化背景もまったく違いますから、同じことはできませんし、やる意味もありません。だからディレクターのごうを始めとする現地のスタッフと話し合いながら、必要な部分はどんどんアレンジしましたよ。NZガイドの私が口を出すよりも、日本をよく知る現地スタッフに任せた方が良い部分も多かったですから、私が関知していない変更も少なくないです。もちろん、これからもどんどん独自に発展し続けるでしょうね。でも、一番大切な遺伝子は、これからも大切に受け継ぎつづけます、もちろん。


― ターゲット層はどうでしょう?ATK同様に初挑戦の方からプロの方まで全部、ということですか?
Ryu:もちろんです。それも「大切な遺伝子」の一つですからね。ただ、野遊び屋が実際に力を入れて開拓しているのは、やはり未経験者層です。今まではアウトドアやカヤックには縁がなかったけど、実は興味津々でチラチラと横目で眺めていた、という方たちをメイン・ターゲットに据えました。だからとにかく敷居を下げて、「マニアだけの遊びじゃないんだよ」ということをアピールすることに一番力をいれましたね。ATKの場合は、特にこだわりなく未経験者も経験者も同じようにまんべんなくウェルカムっていう感じのマーケティングです。


― ひょっとすると、野遊び屋の広告をアウトドア雑誌やカヌー雑誌で見かけないのは、そのことと関係があるんですか?
Ryu:ご明察、関係あるんです。そういう専門誌をご覧になっている方よりは、専門誌にはわざわざ手をのばさないけど、カヤックがあれば横目でチラチラっていう人の方がはるかに多いはずだし、その層は有望な顧客ポテンシャルです。ならば野遊び屋は「専門誌購読層」を多少犠牲にしてでも、その「横目チラチラ層」をゴッソリ頂こうと思ったわけでして(笑) しかも、「横目チラチラ層」にアピールするマーケティングならば、「専門誌購読層」の目にも止まらないはずはないですからね。


― 実際、昨年の野遊び屋の実績を拝見しますと、初体験率が9割以上、しかも若い女性が圧倒的大多数ですね!動員数自体も、この業界で初年度でこれだけってのは、記録破りなんじゃないでしょうか?そういう意味では、初年度ですでに「ゴッソリ」といえますね。
Ryu:確かに率や客層だけを見ると、見込み通りといえなくもないんですが、なにぶん数がまだまだです。確かに業界内で見れば初年度としては多かったのかもしれませんが、まだまだ成長が始まったばかりの小さな業界ですから、前例は破って当たり前です。喜べる数じゃないですよ。「横目チラチラ層」はもっともっと分厚くて、この数倍から数十倍は動員できるはずですから、今はまだとてもとても「ゴッソリ」とは言えないですね。今年が勝負です。今年こそは「ゴッソリ」と行きたいですね。じゃなきゃ、潰れます(笑)


― 厳しい自己評価ですねぇ。ま、それはともかく、ベースに貼ってあるチェキのコメントやビジターブックを拝見しますと、その初体験の方達の反応がすこぶる良いじゃないですか。やはり、これはエイベル・タズマン式のノウハウが日本でも大成功している、ということでしょうね。Ryu
Ryu:いえ、初体験の方のコメントは、鵜呑みにしちゃダメなんです。あれを見て喜んでたら、足元をすくわれちゃいます。


― は・・・?とおっしゃいますと??
Ryu:初体験の方は予備知識が少なく、その分逆に期待と不安が大きいですから、非常に感動しやすいんです。
「東かがわの海って、こんなにキレイだったのぉ!」
「怖いかと思ってたけど、シーカヤックってすんごく楽しいぃ!!」
「アウトドアランチって美味しいぃ〜!!!」
「Ryuさんって、ス・テ・キィ〜〜!!!!」
ってな具合に、比較対象がないせいで、かなりいいかげんなツアーでも過剰に喜ばれちゃったりするんですよ。いえ、野遊び屋の商品がいいかげんっていうわけじゃないですよ。でも、いいかげんな商品でも、おそらく同じようなコメントはいただける、ということです。ですから、あれ読んで我々ガイド陣がぬか喜びしてちゃマズイ、というわけです。


― なるほど・・・。
Ryu:実はこのことは、私自身も客として体験したことなんですよ。私のシーカヤック初体験は、実はAT/NPだったのですが、そりゃ世界一のフィールドですからね、思いっきり感動して大満足。
「ガイドさん、どうもありがとう!素晴らしかったです!!やっぱりオレ、ガイドになりたいです!!!」
って(笑) これが今考えると、AT/NPにもあんなヒドイのがいたのかとあきれ返るほどの、前代未聞のクソガイド。あの会社、よくあそこまでヒドイの雇ってたなぁ。ATKじゃない別のライヴァル会社だったから、今こうやって言える話なんですけどね(笑) ちなみに妻なんて、いまだに「あのクソガイド!金返せ!!」と怒ってますよ(爆) 私自身も、あのガイドを雇っていたっていう事実だけで、あの会社は信用できないですね。


― 後になって化けの皮がはがれて怒られるとは、そりゃこわい話だわ・・・。では、野遊び屋の商品品質は、まだまだATKには及ばない、ってことですか?
Ryu:いえいえ、そんなことはないです。さっきも申しあげたように、野遊び屋の商品はしっかりしてますよ。比率としては少ないんですが、野遊び屋にはプロ、セミプロを含むバリバリのシーカヤッカーの方やメーカーの方、あるいは他の業者さんですでにシーカヤック体験済みの方なども、相当数お見えになっているんです。嬉しいことにね、こういう「玄人筋」からの評価が、実に高いんですよ。野遊び屋に感動して、そのままATKまで来てくださった方もいらっしゃるくらいです(笑) ですから、そういう意味で野遊び屋の商品品質の高さは、すでに十分に証明されていると思います。あと、私自身の目から見ても、野遊び屋全体のオペレーションにしても、各スタッフの個々の技術にしても、ATKにほとんど遜色ないレベルまで来ていると思いますよ。さすがに16年の歴史の差は埋めがたいものがあって、後一歩及んでいない部分があるのは否めないんですけど、逆に言えば、アウトドア先進国にある17年目の南半球No.1の会社と、1年目の野遊び屋の差が、たったあれだけっぽっちってのは、本当にスゴイことだと思います。


― ほぉ、玄人筋やRyuさんご自身からも、やはりキチンと評価されているんですね。
Ryu:一番スゴイ「玄人筋」といえば、『ロンプラ』の記者さんでしたね。


― ろんぷら?何かの天麩羅ですか?
Ryu:すさまじいボケですねぇ・・・。どうやって突っ込んだらいいのか思いつきませんでしたよ・・・。えっと、『ロンプラ』ってのは、オーストラリアで発行されてる、世界一売れているバックパッカー向け旅行ガイドブックです。正式には『ロンリー・プラネット』。各国語に訳されているのになぜか日本語版が出てないので、日本での知名度は低いんですが、日本の「地球の○○○」とか「わがまま○○」とかの元祖にあたる本です。(注:現在は日本語版が刊行されています。)これの日本編が今年改訂されるんですけど、そのための取材が昨年いらっしゃったんですよ。この記者さんがなんと、日本で山登りをする方ならその名を知らなきゃモグリと言われるNZ人登山家、クレイグ・マクラクラン氏だったんです。日本百名山全登頂最速記録保持者、日本列島徒歩縦断最速記録保持者というツワモノ中のツワモノ。しかも彼自身もNZでトレッキング・ツアー会社を経営しているんで、アウトドア・ツアー業界の同業者ですよ。その彼が野遊び屋を取材に来てくれて、
「これならNZの会社同様、欧米人バックパッカーにも通用する。AT/NPに負けてないぞ。日本にこういう会社ができるのを、ホントに心から待ってたんだ!」
と大絶賛してくれたんですよ。『ロンプラ』でも普通の紹介記事とは別扱いで囲み記事にしてくれるとか。


― 日本向けにアレンジしたのに、それでも欧米人にも通用するんですか!?それはスゴイお墨付きですね!
Ryu:私自身は、野遊び屋の商品品質は、AT/NPに持っていってもトップレベルだろうと自負していたんですけど、やっぱりこれ以上目の肥えている人はいないだろうと思われるマクラクラン氏に認めてもらえて、改めてホッとしましたね。まぁ欧米人対応という点では、私以外に欧米人クライアントに対応できるガイドを早急に養成しなきゃいけないっていう大きな課題は残ってますけどね。実を言えば、マクラクラン氏をお相手したのは私でしたから、彼のお眼鏡に適っても当然といえば当然だったわけでして。ただ、私以外にも英語のできるスタッフやNZで修行しているスタッフもいますから、近いうちにクリアできる課題だと思います。う〜ん、楽観的過ぎるかなぁ???(笑)


― 頑張ってください(笑) さて、今後の野遊び屋は、どういう風に考えていらっしゃいますか?野遊び屋の完成形といいますか、そういうヴィジョンはお持ちですよね、やっぱり。
Ryu:野遊び屋全体のコンセンサスじゃなくて、あくまでも私一人の個人的な考えにすぎないんですけどね、一応あることはありますよ。


― どのようなものでしょう?
Ryu:我々の次世代であるショージ、カミゾノのあたりが一人前になって、私やごうが抜けた後もさらに連中が後継者を育成し、その後継者達が一人前になって、ショージ達が
「もうオレ達がいなくなっても、野遊び屋は安泰だな」
と思うようになったとき、野遊び屋は成功といいますか、完成といいますか、もう大丈夫だろうなっていうような、そういう感じのイメージを持っています。つまり、我々の次々世代、孫世代が一人前になって、後継者を育てられる準備が整ったとき、ですね。で、理想的には野遊び屋が日本の商業シーカヤック界の登竜門として、どんどん新陳代謝を繰り返してくれるとなおさら楽しいな、と。


― え!!??とおっしゃいますと、Ryuさんやごうさんは、抜けちゃうんですか?
Ryu:私は今年限りで野遊び屋の最前線からは引退しますよ。


― ゲゲゲ!?なんでまた???
Ryu:私はライフスタイルを追い求めてNZに移民した人間ですから、もともと日本に長く滞在するのは、自分の生活と相容れないんですよ。来年からは、またNZでの暮らしを中心にしていきます。やっと念願の土地を手に入れましたんでね、来年はセルフビルドの家作り三昧の年にします。


― それはショックな・・・。で、ごうさんも抜けちゃうんですか?
Ryu:彼は、私のようにすぐのすぐには抜けないですよ。ただ、彼も元々『G-Outfitter』っていう別のアウトフィッターの経営者で、いまだに二足のワラジ状態です。私もATKとの二足ワラジですけど、私の場合はシーズンが完全に半年ずれますからね。ごうの場合は当然ながら同じ時期に2つのアウトフィッターを切り回してることになります。こりゃ大変ですよ。だから遅かれ早かれ、後継者が育ち次第、彼もG-Outfitterの方にまた比重を戻していくと思いますよ。


― なんだか、Ryuさんやごうさんあっての野遊び屋というイメージもあったんで、ショックな話ですが・・・。
Ryu:まさにそこです。今までの日本のこの業界の場合、『○○さんの□□□カヤックス』などと、創業者の名前がアウトフィッターの冠詞になってました。『ごうさんのG-Outfitter』っていう風にね。野遊び屋はエイベル・タズマン方式の初のアウトフィッターですから、それを脱したいんです。


― つまり、『Ryuさんの野遊び屋』とか『ごうさんの野遊び屋』にしたくない、と。
Ryu:したくないですね。ガイドっていう職業は、有名になるとスポイルされてダメになりがちです。お客さんから「先生扱い」されちゃって、サービスのなんたるかを忘れちゃったりしてね。だから、ガイドなんて無名の方が良いに決まってるんです。


― そういうものですか。
Ryu:はい。ですから、野遊び屋の場合は冠詞のつかないアウトフィッターにして、いくら代替わりしてどんなにガイドの面子がこれから変わっていこうとも、変わらぬクオリティのサービスが提供できるアウトフィッターにしたいんです。10年後は、ひょっとすると、今のオリジナルメンバーは、誰一人として残ってないかもしれません。その時、野遊び屋が今と変わらぬ・・・、いや今と同じじゃ困るな。もとい、その時、今以上のサービスを提供できていて、なおかつ『○○さんの野遊び屋』っていう冠詞がついていなければ、それが一番私の望んだ形のアウトフィッターです。あ、もちろん、10年後にオリジナルメンバーがまだ頑張っててくれれば、それはなおさら嬉しいことですけどね(笑) でも、オリジナルメンバーがよそでまた別の形で野遊び屋の遺伝子を受け継いで広めていてくれたら、それはそれで嬉しいです。そういう「新陳代謝するアウトフィッター」になって欲しいです。


― うぅ〜〜〜む、とことん日本人離れした発想だわ、こりゃ。参りました。
Ryu:そんなことないですよ。創業者がいないとそのクオリティが維持できないサービス業もありますけど、創業者がいなくなってどんどん続いてるサービス業も多いでしょ?旅館にしたって航空会社にしたってそうじゃないですか。野遊び屋も、そういうレベルのサービス業として定着させたいだけです。だから、あえて『冠詞のないアウトフィッター』になって欲しいんです。で、その第一弾として、私が抜けます(笑)


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